ノーザンライツと出会う

 さて、26時間かかってやってきた、アラスカの大地。ホットスプリングス=温泉、海水パンツに履き替え、露天風呂ではなく屋外岩風呂風プールから薄明の空を見上げる。
 今夜は温泉に入ってぐっすり寝て、長旅の疲れを取る。というつもりだったが空には、星が瞬き、空気はものすごく澄んでいる。今日はオーロラ観測に絶好のコンディションのようだ。ものの本には真夜中から明け方と書いていたので、温泉から戻ると一応オーロラ観測用ウェアを出してベットの上でウツラウツラ〜


 ようやく夜の帳が降りてきた頃、屋外が何やら騒がしい。泊まっているキャビンの裏がオーロラ観測広場になっているのだが、人影が見える。と,同行のT君が「出た!出た!」と叫んで駆け込んでくる!急いでオーロラ観測ウェアを着込み、三脚とカメラをつかむと外に駆け出す。広場から西の空をみると、白い筋が山裾から天空へと延びていた。

(左下に見える明かりは,メンテナンス中のヘリコプター。14ミリという超広角レンズを使用しての撮影だが空全体を覆うオーロラのスケールにただただ驚く)

 到着後まだ3時間も立っていないのにショーは始まった。天空に延びた白い筋はみるみるうちに広がり、緑色の光のカーテンとなって空を動く。ゆらゆら...その後ろに星が輝く。

 
と,そのカーテンの中を強い光が動き出した


動きが早い、天空を光が駆け出している、その光は頭上でクルリと周り、すっと消えた...
これが、オーロラのブレークアップ(崩壊)現象。時間にして数分の出来事だった。

 あまりの動きの速さに撮影する事が出来なかった。真っ赤に空を焦がす夕焼けがスッと色を無くすのと似ていように思えた。しかし始めてみるノーザンライツ(オーロラ)に呆然という表現が当ったいるのかもしれない。


ショーは続く

ブレークアップ現象に圧倒され部屋に戻る。お風呂上がりの身体が、冷えきっている。お湯を沸かし生姜湯を飲む。やっと我に返ってきた....思考も身体も圧倒された。
これだけ見れたら、もう帰ってもいい!!などと同行のT君と話す事、1時間弱。外に様子を見に行ったT君がまたまた興奮して窓を叩いている。二回目のショーが始まったのだ。
今回も光の帯は動く動く、、、とりわけ一本の帯が西の空から東の空へ形をかえて強い光を発しながら天空を覆って行った。

(クルクルとサーチライトのように光が回る)

もう撮れない?

もう二回も見れたから大満足〜〜!しかし1時間も立たない午前2過ぎ、もう寝るぞ〜と思ったその時、3回目のショーが始まった。今回はもう圧倒されぱなっし!! 

「もう撮れない!! 撮るの止めた〜」と大地に大の字になって転がって天空を見あげることしかできなかった。

 数分後ブレークアップしたNorthern Lightsは光を薄くしていった。
「い、今の見ました!すごいですよね」と日本人女性が声をかけてきた。
3回目のショーを見ていた僅か数人だった。
この時間にアラスカ北部で、このショーを見ていたのはどの位の人数なのだろう、、、
ものすごいものを見てしまった、、、、、
部屋に戻り、着替えると30数時間ぶりに眠りについた。...

「神以外のだれが栄光あるこれほど偉大な光景を生み出せるだろうか。神以外のだれがこれほど豪華に天を彩る絵を描くことができただろうか」 19 世紀の北極探検家チャールズ・F・ホール