あこがれのデナリへ
旅は第5日目となった。この日はアラスカ鉄道フェアバンクス駅よりスタート。午前8時出発のアラスカ鉄道、アンカレッジ行き。
1日1往復、5月〜9月だけ運行する「サマー急行」。展望車、食堂車、それに旅行会社所有のスーパーハイデッカー車を連結しアラスカの雄大な風景や野生動物を見ながら356マイル(569キロ)を走る。12時間で走るので時速は47キロ。速度を追求してきた日本の鉄道が忘れている鉄路の旅。
新しくなったフェアバンクス駅を定刻より少し遅れて出発した。厚い雲間から朝日が射し込む。
市街地を抜け、列車はすぐにツンドラとタイガの森の中を駆け抜ける。心地よいレールのリズム。朝陽に照らされた秋色のアラスカの大地が車窓を流れて行く。大きな鉄橋を渡り、ゴールドラッシュで栄えた小さな街を幾つか通過すると(もっとも街と街の間は何もない原野が数十キロも続く訳だが)やがて車窓は紅葉の谷に変わった。
速度が落ち、カーブが多くなり、時々見える、先頭のディーゼル機関車の音が一段と高くなった。
やがて列車の速度が落ちて徐行運転。ネナナ川の渓谷にさしかかった列車の対岸にドールシープ(大角ヒツジ)の群れがいた。
1日1往復、5月〜9月だけ運行する「サマー急行」。展望車、食堂車、それに旅行会社所有のスーパーハイデッカー車を連結しアラスカの雄大な風景や野生動物を見ながら356マイル(569キロ)を走る。12時間で走るので時速は47キロ。速度を追求してきた日本の鉄道が忘れている鉄路の旅。
新しくなったフェアバンクス駅を定刻より少し遅れて出発した。厚い雲間から朝日が射し込む。
市街地を抜け、列車はすぐにツンドラとタイガの森の中を駆け抜ける。心地よいレールのリズム。朝陽に照らされた秋色のアラスカの大地が車窓を流れて行く。大きな鉄橋を渡り、ゴールドラッシュで栄えた小さな街を幾つか通過すると(もっとも街と街の間は何もない原野が数十キロも続く訳だが)やがて車窓は紅葉の谷に変わった。
速度が落ち、カーブが多くなり、時々見える、先頭のディーゼル機関車の音が一段と高くなった。
やがて列車の速度が落ちて徐行運転。ネナナ川の渓谷にさしかかった列車の対岸にドールシープ(大角ヒツジ)の群れがいた。
デナリ国立公園到着!
列車はついにデナリ駅に到着した。駅は降りる人とこれから乗る人でごった返していた。
「デナリ」それは偉大なものを意味する地元の言葉。公園の中心にはそう言わざるを得ない圧倒的な存在感でそびえ立つマッキンリー山がある。日本の四国よりも広い面積を持つこの公園は徹底的な保護管理下におかれている、そのおかげでグリズリー(ハイイロクマ)、ブラックベアー(クロクマ)、ムース(ヘラジカ)、カリブー(トナカイ)、オオカミなど37種のほ乳類、ライチョウ、ゴールデンイーグル(イヌワシ)など130種の鳥類が生息、旅行者は安全に動物を見ることができる。 公園内はシャトルバス(グリーン色の車体)かツアーバス(クリーム色の車体)しか移動手段がない。
今日泊まるキャビンに荷物を置き,デナリ公園入口のアクセスセンターへと向かう。14:40発のツンドラワイルダネスツアーバスに乗車。
乗客は一杯だったがなぜか、運転手後ろの左側シートが空いていた。動物を撮影するには一番の特等席だ!。
出発後、急な坂道を登りきるとそこは紅葉に覆われた原野だった。一番最初に登場したのは、立派な角を持った雄のムース!稜線上に角のシェルエットが浮かび上がった。
ムースが昇った丘をぐるっと回り込むと,感動の光景が!
なんと真っ赤なの紅葉の谷にムースがいた!
次は、カリブー。
道を横断する前にちょっと停まって、左右を確認。その動作はちょっと人間ぽくって微笑ましかった。カリブーはバスの左側に再び現れ、立派な角をじっくり見せてくれた。
このカリブーは単独だったが、アラスカでは北極圏で何千何万頭もの群れが春と秋に大移動する。「カリブーと風の行方は誰も知らない」昔からそう言い伝えられている。
「デナリ」それは偉大なものを意味する地元の言葉。公園の中心にはそう言わざるを得ない圧倒的な存在感でそびえ立つマッキンリー山がある。日本の四国よりも広い面積を持つこの公園は徹底的な保護管理下におかれている、そのおかげでグリズリー(ハイイロクマ)、ブラックベアー(クロクマ)、ムース(ヘラジカ)、カリブー(トナカイ)、オオカミなど37種のほ乳類、ライチョウ、ゴールデンイーグル(イヌワシ)など130種の鳥類が生息、旅行者は安全に動物を見ることができる。 公園内はシャトルバス(グリーン色の車体)かツアーバス(クリーム色の車体)しか移動手段がない。
今日泊まるキャビンに荷物を置き,デナリ公園入口のアクセスセンターへと向かう。14:40発のツンドラワイルダネスツアーバスに乗車。
乗客は一杯だったがなぜか、運転手後ろの左側シートが空いていた。動物を撮影するには一番の特等席だ!。
出発後、急な坂道を登りきるとそこは紅葉に覆われた原野だった。一番最初に登場したのは、立派な角を持った雄のムース!稜線上に角のシェルエットが浮かび上がった。
ムースが昇った丘をぐるっと回り込むと,感動の光景が!
なんと真っ赤なの紅葉の谷にムースがいた!
次は、カリブー。
道を横断する前にちょっと停まって、左右を確認。その動作はちょっと人間ぽくって微笑ましかった。カリブーはバスの左側に再び現れ、立派な角をじっくり見せてくれた。
このカリブーは単独だったが、アラスカでは北極圏で何千何万頭もの群れが春と秋に大移動する。「カリブーと風の行方は誰も知らない」昔からそう言い伝えられている。
クマたちの楽園
それからしばらくは動物が現れなかった。少しお尻が痛くなりかけた時、前方にバスが停まっている。左側だ! 目を凝らすがそれらしい物は見当たらない。ガイドは 「ベアー!」と言っている。原野の中に黒い点が動いた。「ブラックベアー」。その黒い点の側にグレーの点がもう一つ 「TWO BEAR !そうもう一頭いた! グリズリーベアーだ!
「ねえねえクマさん、どうして君らはこの広い原野で二人並んで餌を探しているの?」
大型獣のクマでさえこの広大な景色の中の小さな点でしかないのだ。
ちょっと人前に姿を見せたら大騒ぎされる 北海道のクマたちがなんだか窮屈そうだ。
「ねえねえクマさん、どうして君らはこの広い原野で二人並んで餌を探しているの?」
大型獣のクマでさえこの広大な景色の中の小さな点でしかないのだ。
ちょっと人前に姿を見せたら大騒ぎされる 北海道のクマたちがなんだか窮屈そうだ。
極彩色の峠
バスは、切り立った崖の上を進む。深い絶壁、ガードレールすらない。日本だったら絶対こんな所を観光バスが走るなんて論外なはず。やがて見晴らしのいい所で停まった。ここが極彩色の峠。山側のガレ場は5000万年前にできたと極彩色の岩で、谷側、広大な谷(トクラット・リバー)は氷河の融水で形成されている。今は水の流れは見当たらない。雲に隠れている山が見えたら距離感がつかめそうだが、あまりに広大だ。今まで見たことがない景色が目の前にあるので正直、写し方が分からない。
再び発車したバスは峠をゆっくり下り、折り返し地点の川のほとりで休憩する。ここは氷河からの水が少し流れている。といっても人の気配はゼロ。冷たい北風が通り抜ける場所で、カメラのシャッターを押すのをしばし忘れ荒漠とした景色の中に意識が吸い込まれていった。もう数日、一週間もしないうちに、ここに初雪が降って白い季節が再び訪れのだろう。
再び発車したバスは峠をゆっくり下り、折り返し地点の川のほとりで休憩する。ここは氷河からの水が少し流れている。といっても人の気配はゼロ。冷たい北風が通り抜ける場所で、カメラのシャッターを押すのをしばし忘れ荒漠とした景色の中に意識が吸い込まれていった。もう数日、一週間もしないうちに、ここに初雪が降って白い季節が再び訪れのだろう。