世界最北トラックストップ

 フェアバンクスから1時間400キロ,コールドフットに到着。ここは人口14人、世界最北トラックスットプ(ドライブイン)!

町外れで次のサービスエリア(ガソリンスタンド)まで240マイルというサインを見つけた。1マイル=1.6キロだから、384キロ!!つまり384キロは、車の給油や修理ができない。故障して停まったら、JAFなんて来てくれない。通りががりの車にヘルプ、1日の交通量はわずか、いつ来るか分からない。道路は砂利道、しかもここから北は、ガードレールもない峠越えの山岳ルート。峠を越えれば森林限界を超えたツンドラ原野のみ。ここを走る時はスペアタイヤ二本、エマージンシーキットが必要というのは、まんざら大げさではないと思った。

辺りの山には雪が積もり、色鮮やか紅葉があたりを覆っていた。

最北のトラックヤードに一泊する。どうしても同行のT君がここに泊まりたいと言う事で

ダルトンハイウェイ

翌日,午後からバンでパイプラインに沿ってダルトンハイウェイを南下する。フェアバンクスまでその距離約400キロ、約8時間。道は舗装が進んでいると聞いていたが全体から見るとごくわずかしかない。
 雨が降り出した道を走る車は跳ね上げる泥で後ろが見えない。空から見るのと違い、アップダウンの勾配は結構きつく、長い長い直線のジェットコースターの坂道がたくさんある。時々大型トレーラーとすれ違う。スピードダウンして道を譲る。ガードレールのない砂利道だから路肩が緩んでいたら大変だ。こんなすごい道に沿って野をこえ、山こえ、川こえて、どんどん続くよ、パイプライン。

永久凍土

 
今回のコールドフット行きは、北極圏ツアーパッケージ。帰りのバンではパイプラインやツンドラのことなどが解説される。
しかもドライバーがガイドも務め、ヘッドセットをして運転しながら話す。話が途切れることは少なくすごい知識の量だ。
途中で停車した路肩の原野に穴が掘ってあって、腕を伸ばして手を入れるとキンキンに冷えたビール缶が出てきた。僅か50センチで永久凍土の層になる大地だった。ブルーベーリーやクランベリーの土床は苔類に被われている。

この土の下,数十センチ下は凍土だ。
道路沿いには山火事の跡が結構ある。火事によって植物の更生が行われるそうだが、成長が遅い故サイクルは何百年単位だそうだ。

永久凍土が溶けないよう脚で持ち上げ,脚の上にある二本の棒は熱を逃がすフィン

ユーコン川を橋で超える。


8時間を経過しまだ着かない。車は2時間ほど遅れ街の高級ホテルに着いた。
このホテルと最北のトラックヤード(コンテナ)の宿泊料金はなんと同じなのだ。